クレーン作業を安全に!最適な照明の選び方とポイント

最終更新日: 公開日: 2025/02

クレーンとは、荷物を吊り上げて移動させる装置で、工場、建設場、倉庫などの現場で安全性や効率性を向上させるために欠かせない装置です。暗所や夜間もクレーン作業が行われる場合、クレーンにも照明が設置されています。照明によって視認性や作業環境にも影響を及ぼす可能性があるため、本ブログではクレーン用照明について解説します。

クレーン照明の役割と必要性

広範囲に動くクレーンで作業をする際には、天井灯や仮設照明だけでは作業エリアを十分に照らせず、作業性が低下したり、安全性が確保できなかったりする場合があります。そのため、作業に必要な明るさを確保するクレーン照明が必要です。
クレーン照明は、以下のような役割を果たし、作業の安全性と効率を向上させます。

作業エリアの視認性向上

作業エリアを明るく照らし、作業者が荷物や周囲の状況をはっきりと確認できるようになります。屋外で夜間に使用されるときはもちろんですが、屋内でも天井灯とクレーンが重なって作業場が暗くなってもクレーン照明が明るさを補填してくれます。

安全確保と事故防止

影や暗所を無くすことで、足場や吊り荷などの障害物を確認しやすくなり、見落としや事故を防ぎます。クレーンの移動範囲や、吊り具の位置を見やすくなることで、周囲の作業員もクレーン周辺に注意を払い、早い段階で危険に気付く等の安全確保につながります。

作業効率の向上

視認性が上がるため、作業スピードと精度が向上し、作業者がストレスなく作業できます。また、時間帯に関わらず明るさを確保できるため、夜間や低照度環境に左右されることなく作業効率を向上します。

明るいと防げる!?クレーン事故

クレーンは重量物を吊り上げる役割があり、種類によってはとても大型な重機となるため、クレーンでの事故は重大な事故につながります。
下記は実際に起きた明るさが起因となったクレーンに関する労働災害です。
  

他にも一般社団法人日本クレーン協会でもクレーンの災害事例が紹介されています。明るさ起因というわけではありませんが、暗い環境下で出来る作業ではないということが分かる事例ですので参考に掲載します。

クレーン照明選びのポイント

クレーン照明は、クレーンの種類や作業内容、使用環境に合わせて選定する必要があります。クレーンの種類や使用する場面によって、照明に求められる機能は異なります。
照明選びのポイントとクレーンの種類によって考慮すべきポイントを求めました。
下記のポイントを押さえて選定することで、作業効率UPや事故防止につながります。

クレーン照明の選定基準

  • 照射距離:クレーン照明は設置高さが10m以上のことも多く、照明も高い位置から明るさが届くよう設計されたものが必要です。選定時はどのくらいの高さから照らし、どのくらいの照度が実現できるか確認しましょう。
  • 防塵・防水性能(IP規格):屋外用で使用する場合は雨が当たりますので防水性能が必要です。また粉塵が舞う現場では防塵性能があるものを選びましょう。
  • 耐塩害性:海岸沿いでクレーンは使用される場合は、耐塩害性や重耐塩レベルに応じた照明を選びましょう。
  • 耐振動・耐衝撃性:安全に作業を行うため、クレーンの動きや作業環境による振動や衝撃に耐えられるものを選びましょう。
  • 省エネ・長寿命:クレーンの稼働時間によって、照明の点灯時間は異なりますが、できるだけ省エネランプを使用したほうが電気代でメリットがあります。また万が一照明が不点灯になった場合、高い位置に設置されている照明は交換が大変ですので、できるだけランプ寿命が長い照明を選びましょう。

クレーンの特徴と照明選びのポイント

クレーンと言っても種類は様々です。クレーンごとの簡単な特徴と上記に記載した照明選びのポイントを表にまとめました。
※★★★が最も重要なポイントになります。

種類 天井クレーン ガントリークレーン
(橋型クレーン)
ジブクレーン
特徴 工場の天井部分に設置されるレールを使い、荷物を水平・垂直に移動するクレーン 地面に設置されたレール上を走行する門型のクレーン 垂直の柱に取り付けられたアームの先端が回転して荷物を吊り上げるクレーン
画像 天井クレーン ガントリークレーン ジブクレーン
照射距離 ★★★ ★★★ ★★
防塵防水 ★★ ★★★ ★★
耐塩害 ★★★
耐振動 ★★★ ★★★ ★★
省エネ・長寿命 ★★★ ★★ ★★★

クレーン照明にLEDを採用するメリット(エネルギー効率や寿命の観点からLEDの利点を紹介)

クレーン照明は、クレーンの種類や作業環境によって求められる機能は異なりますが、通常の照明よりも高所に設置されることが多いため、広範囲を照らす照度を確保しながら、省エネかつ長寿命であるLEDを採用することをお勧めします。
LED省エネのため、作業が長時間にわたってもランニングコストを抑えることができます。さらに、従来のハロゲンランプや水銀灯と比べて長寿命のため、交換頻度が減り、メンテナンスコストの削減も可能です。

コタニがオススメする天井クレーン用LED照明MKO-Sの特徴

コタニがオススメするMKO-Sは、屋内外で使用される天井クレーン他、大型機械による振動があるような工場などで使用できる広角タイプのLED照明です

高い耐振性、耐衝撃性

以下当社基準(JIS E 4031を元に制定)による試験で、振動による緩み、変形、破損がなく、点灯状態に異常が無いことを確認しました。

  • 耐振性:1.5G(周波数5~200Hz X,Y,Z方向各3時間ランダム振動)
  • 耐衝撃性:30G(6mm/s X,Y,Z方向各100回)

インバーターには樹脂を充填しており、振動に強い仕様です。また落下防止ワイヤー標準付属品です。

屋内外で使用できる防塵防水性能

IP65(塵埃の侵入がない、あらゆる方向からのノズルによる噴流水によって機器が影響を受けない)の器具になるため、屋内はもちろん屋外でも使用できます。

広角に広がる光

LEDチップ1つずつにレンズをつけ、直進性が強いLEDの弱点を克服し広角に光が広がる仕様になっています。クレーン照明としての真下の照度だけでなく、クレーン周辺を明るく照らすことができます。

省エネ、長寿命

従来の水銀灯メタルハライドランプなどのHID照明に比べ消費電力を大きく削減できます。(例:水銀灯400Wを120Wに削減可)またLED寿命は4~6万時間となり、水銀灯よりも長寿命でご使用いただけます。

製品スペック

品番 MKO-S-120 MKO-S-180
消費電力 120W 180W
寸法(外径・奥行き) 290×192mm 340×205mm
質量 3.4kg 3.9kg
色温度 5,700K
全光束 14,400lm 21,600lm
平均演色評価数 Ra≧70
LEDモジュール寿命 60,000時間
防塵・防水 IP65
設置高さ目安 5~8m 8~15m

※落下防止ワイヤーが付属します。

照度設計例

18m幅の天井クレーンに搭載した場合の照度設計図(クレーンガーター下のみ)を下記に示します。なお照明の設置高さは7mとします。

【水銀灯400W】
比較対象として、従来からよく使用されている水銀灯400Wで設計すると3台設置で、ガーター部分の平均照度は128ルクスとなります。

水銀灯400Wを使ったクレーン照度設計

【MKO-S-120】
水銀灯400Wと同条件で、弊社LEDのMKO-S-120で設計すると3台設置で、ガーター部分の平均照度は270ルクスとなり、水銀灯400Wより2倍以上明るくなります。

LED3台のクレーン照度設計

水銀灯400Wほどの照度でも良いという場合は、MKO-S-120を2台設置で、ガーター部分の平均照度は186ルクスとなるため、明るさも確保した上でさらに省エネが可能です。

LED2台のクレーン照度設計

このようにクレーン幅や設置高さ、必要照度など各種条件を教えていただきましたら照度設計可能ですので、せひお申し付けください。

デモ機貸し出しサービス

デモ機のお貸し出しサービスもご用意しております。
「自社で試してみたい」とお考えのお客様は、以下のお問い合わせフォームからご相談ください。

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まとめ

クレーン照明は産業の進化に合わせて ガス灯→白熱電球→水銀灯→HID→LED と進化を遂げました。特に、近年のLEDやIoT技術の導入により、エネルギー効率や作業安全性が大幅に向上しています。工場内での効率的な荷物の搬送や安全性確保のニーズから、クレーンの需要が高まる中、クレーン照明の適切な選定は作業現場の安全性と生産性を大きく左右します。本ブログに記載したクレーン照明の情報がお役に立てれば幸いです。

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