水銀灯の置換に検討される照明の種類

最終更新日: 公開日: 2023/10

水銀灯の置換として候補に挙がる5つの照明の特長と水銀灯から置き換えるとどうなるかをまとめました。

 

1 水銀灯HID)

 

水銀灯は、真空の放電管の両端に入れた水銀に電流を通して発光させる照明です。ランプ1個当たりの光束が大きく、効率が高く、経済的であり広い場所の照明に適しています。

水銀灯から水銀灯に置き換えると現状維持ですが、水俣条約により、2021年以降は入手性が悪くなり、遅かれ早かれ水銀灯から別の照明に切り替える必要はあります。

 

2 蛍光灯

 

蛍光灯は、ガラス管の内側に蛍光塗料を塗り、水銀の放電で生じる紫外線を目に見える光線に変えた照明装置です。発光効率が高く光源寿命も長く経済的な照明なので、家庭や施設、店舗照明として一般的に広く使用されています。

水銀灯から蛍光灯に切り替えると、暗くなる可能性が高いです。それまで水銀灯で5mの高さから照らしていて、蛍光灯で同じような明るさを出すためには3mくらいの高さまで下げる必要があり、蛍光灯が吊り下げられた状態は、あまり見栄えが良くない上に、工場内でクレーンが走っている場合は、それができません。

 

3 メタルハライドランプ

 

メタルハライドランプは、発光効率や演色性水銀灯より改善されたランプです。発光管内の封入物が金属とヨウ素や臭素との化合物であるためメタルハライドランプと呼ばれ、工場照明、スポーツ照明としてよく使用されています。

水銀灯からメタルハライドランプに置き換えると、口金が合えば同じ傘を使うことができ、安定器の変更のみで水銀灯からの置き換えができるため(各種照明器具の中で)一番楽です。また、水銀灯で400Wを使っている場所で、同じ照度を出すのにメタルハライドランプであれば250W程度でできますので、省エネにもなります。ただ、定格寿命が水銀灯と同程度のため、ランプ寿命が長いとは言えません。

 

4 LED

 

LEDは、電気エネルギーを直接光に変換する半導体で、小形でランプ寿命が長く低電圧駆動が可能、応答速度が速いなどの特徴があります。技術の進歩により、様々な発光色のLEDがつくられるようになり発光効率も向上しています。照明としてだけでなく液晶ディスプレイ、信号機など幅広い用途で使われています。

水銀灯からLEDに置き換えると、まず、省エネになります。LEDもスイッチを入れたらすぐに点灯しますので細かな省エネが可能です。光の広がりが変わりますので、水銀灯と同じ配置にすると空間が暗く感じ、明るさにむらが出たり、場所によっては影が濃く出たりする場合もあります。水銀灯よりも3倍ほど長寿命のランプですが保証温度は40℃となっているものが多く、設置環境によっては寿命が短くなってしまいます。

 

5 無電極ランプ(無電極照明)

 

無電極ランプは、電極を用いずに点灯する無電極放電現象を利用したランプで、光源寿命に大きな制約となるフィラメントや電極が無いので、本質的に長寿命の光源でランプ交換の頻度を減少できるという特長を有しています。光源寿命の長いことやランプ効率が水銀灯と比べて高いことから、高天井照明、街路灯などでよく使用されています。

水銀灯から無電極ランプに置き換えると、まず、省エネになります。無電極ランプはスイッチを入れたらすぐに点灯しますので細かな省エネが可能です。光の広がりは水銀灯とほとんど変わらず、また、明るさのむらや、部分的に影が濃く出てしまうといったことはありません。水銀灯よりも5倍以上長寿命のランプで球交換などのメンテナンス費を削減できます。保証温度は50℃なので、一般的な工場で数多く採用されています。

 

ご質問などございましたらぜひご連絡ください。お読みいただきありがとうございました。

 

コタニ株式会社

S.S.

 

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