保温すると省エネ!ラッキング(板金)より簡単に設備をカバーして設備を保温

最終更新日: 公開日: 2024/10

省エネ意識が高まる中、工場でもあらゆる方法で省エネ対策がされています。

この中から今回は断熱材の使用および機器の保温について解説します。

工場における断熱、保温による省エネ

工場は、機械などを使い、物品の製造や加工を行う施設です。断熱や保温の効果や効果のある設備について紹介します。

熱を発する設備とは

 

おおまかに以下のようなものが挙げられます。

  • 高温機器:ボイラー、タンク、炉、熱交換器、押出機、殺菌機など
  • 蒸気や高温液体を運ぶパイプライン:配管、フランジバルブ(弁)、ポンプ、ストレーナーなど

断熱、保温の効果とは

熱を発する設備を断熱、保温することは工場にとって、以下のような効果があります。

  • 熱損失の防止:高温機器から熱が逃げるのを防ぐことができます。逃げた熱は再度エネルギーを消費して作られます。熱が逃げないということは、熱を作り出す労力を抑えることができるので、省エネにつながります。
  • 周辺温度を保つ:熱を発する設備の影響で周辺温度が高くなることがあります。断熱することで周辺温度の影響も抑制し、空調の稼働時間や設定温度を短縮でき、省エネにつながります。
  • 安全性向上:表面温度が高い設備に作業者が触れてしまうと火傷する可能性があります。設備の表面温度が下がることで作業者が触れても安全な環境になります。

板金とラッキングについて

断熱、保温でよく検討される板金とラッキングについて紹介します。

板金とは

板金は、以下のような意味があります。

  1. 切り金の一。金を板のように薄く打ち延ばしたもの。
  2. 金属板や帯板を、常温のまま曲げたりしぼったりして加工すること。
  3. 出展:goo辞書

断熱・保温における板金は、設備や配管の外部を覆うよう金属板を加工して耐候性や耐久性を上げる目的で使用されます。
設備に断熱材を巻き、その外側に板金を取付ます。外部の環境に弱いとされる断熱材を保護し断熱性能を維持します。

ラッキングとは

ラッキングは、以下のような意味があります。


金属板や帯板を、常温のまま曲げたりしぼったりして加工すること。主に保温、保冷の目的でボイラ配管、冷水配管、冷媒配管等に断熱材で被覆し、アルミ、ステンレス、鋼板+塗装材等を使って巻き、仕上げること。

出展:エアコンセンター

配管などに断熱や保温の目的で使用された断熱材を保護することがラッキングです。保温材を金属で保護することで保温効果は高まり、見栄えも良くなります。

板金とラッキングの違い

板金とラッキングは関連しますが、明確には同じものではありません。

 

 

目的 効果 使用場所 使用素材
板金 配管や設備を保護し、外見を整える 衝撃や環境から保護できる 配管や設備の外装として使用。(断熱材が無くても使用される) アルミ、ステンレス、亜鉛メッキ鋼板など
ラッキング 断熱材や保温材を保護、固定する 断熱材の効果が高まる 断熱材を使用している場所を覆う 金属、PVC、布、ゴムなど環境や用途に応じた素材
板金とラッキングの違い

保温という目的では、ラッキングで断熱材を保護、その外側を板金で覆うというように同時に使用されることが多いです。

板金とラッキングのメリット

板金、ラッキングには保温以外にもいくつかメリットがあります。

  • 断熱材の保護:柔らかく繊維状の者が多い断熱材を外部の衝撃や、雨風などの環境から保護するため、断熱材を長く使用できます。
  • 安全性の向上:高温機器は作業者が触れて火傷するリスクがありますが、表面をカバーすることで直接触れても火傷しない温度に保つことができます。
  • 美観性の向上:外観が整理され、清潔感を保つことができます。

板金とラッキングのデメリット

あらゆるメリットがある板金、ラッキングですが、いつくかデメリットもあります。

  • 初期コストが高い:施工は専門業者が行うことになります。取付作業費、使用する材料、設備の大きさによって費用がかさむことがあります。
  • 重量の増加:機器や配管に追加の重量が加わるため、設備全体の耐久性に負荷を与える可能性があります。
  • メンテナンス性が悪い:一度施工するとなかなか取り外すことが難しいため、頻繁にメンテナンスが必要な設備では、取外し、再取付に手間とコストがかかります。その手間を惜しんでメンテナンスを先延ばしにすると断熱材の劣化や腐食の発見が遅れる可能性があります。

板金とラッキング以外の保温方法

断熱、保温の手段として板金とラッキングを紹介してきましたが、他にも手段がありますので紹介します。

ヒートトレーシング

ヒートトレーシングは、電気ヒーターや蒸気管を使って温度を管理することで、配管内の流体を一定の温度に保ちます。温度管理が簡単で高精度に制御ができますが、エネルギーを使用するためランニングコストがかかり、設置のイニシャルコストも高くなる場合があります。

反射断熱フィルム

反射断熱フィルムは、アルミ箔などを配管の外側に巻き付け、熱の放射を抑えることができます。外部からの放射熱も防ぐことができますが、熱伝導を完全に防ぐことはできないため、断熱材ほどの保温効果は期待できません。

セラミックコーティング

セラミックコーティングは、耐熱性の高いセラミック素材を塗布することで断熱効果を得る方法です。コーティングが薄くても高い断熱効果があるのでスペースが限られた場所での使用に適し、耐火性や耐腐食性もあります。しかし施工には専門的な技術が必要で、断熱材ほど持続的な効果が得られない可能性があります。

コタニがオススメする保温カバー“クルムダン”


 

あらゆる断熱、保温に関する内容をご紹介しました。弊社では保温カバー”クルムダン”をご紹介します。

 

クルムダンとは、グラスウールなどの断熱材をガラスシリコンクロスなどの表面材で覆った、保温カバーです。

クルムダンとラッキング(板金)の違い

クルムダンもラッキングも、使用される目的は保温や断熱ですので、効果などは大きく変わりがありません。
ただし、メンテナンス性と保温効果に差が出ます。
ラッキングのデメリットとして上述したようにメンテナンスの度に、取外し、再取付を行うとなると手間もコストもかかりますが、クルムダンはマジックファスナーで簡単に取付取外しが可能です。事前に製作したカバーを現場で取り付けるだけなので、最初の施工期間も短いです。
ラッキング施工で必要な社内での日程調整、業者との日程調整が不要で簡単に取付できます。
しかし、簡単に取付、取外しができる分、ラッキングと比較すると保温効果は少し落ちる可能性があります。
かかる費用、メンテンナスの有無、どの程度の保温が必要かなど、重要視されるポイントに応じて向き不向きがあります。

クルムダンの省エネ効果

クルムダンの省エネ効果については以下情報があれば、省エネメリット計算書を作成できます。

  1. 燃料の種類(重油、都市ガスなど)
  2. 燃料の値段(1L当たりの価格)
  3. 表面温度、圧力
  4. 年間稼働時間
  5. 室温

どのくらい省エネできるかは条件によってそれぞれ異なりますので、ぜひ計算してほしいという方はお問合せください!

最後に

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。省エネ傾向が高まる中、ぜひ保温という省エネも取り入れていただければと思います。サンプル確認、現地調査依頼、お見積りなどのご要望がありましたら下記問合せフォームより、ご連絡ください。

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