弊社のブログでも何度かご紹介しましたFFKM(パーフロ)ですが、メインで流通している形状はOリングになります。しかしFFKMも他のFKMやシリコーン同様、ゴムシートとしての扱いがあることはご存知でしょうか。今回は、FFKMのゴムシートについてご紹介いたします。
FFKMゴムシート取扱いメーカー
以前パーフロ(FFKM)Oリング不足・納期問題は代替可!というブログで、パーフロOリングのメーカーを8社ほど紹介いたしました。
デュポン社製カルレッツ®
材料の販売はなくOリングへの成形品のみを販売しているデュポン社のカルレッツ®は、パーフロ材のトップ企業と言えます。こちらもメインはOリングになりますが、「Kalrez® Sheet」と検索すると以下のシートの紹介ページが出てきました。
このページにはワッシャーやフラットガスケットなどとして使用されると記載があります。多くのコンパウンドが用意されていると記載されていますが、記事を記載している2024年10月現在ではMS220とW240の2種類がメインのようです。
タガミシール製Exzeus®
神戸市長田区に構えるタガミシールは高機能シール材としてExzeus®シリーズを販売しています。数ある品番の中でFFKMグレードとしているA402BKとA495BKはいずれもゴム板およびその加工品として提供が可能となっています。
品番で比較したFFKMゴムシート
上記で記載しましたカルレッツ®MS220およびW240とExzeus®A402BKおよびA495BKの4品番についてスペック、価格、納期の観点で比較します。
スペックで比較するFFKMシート
各スペックについて以下の表にまとめました。
品番 | Kalrez®MS220 | Kalrez®W240 | Exzeus®A402BK | Exzeus®A495BK |
---|---|---|---|---|
耐熱温度(℃) | 230 | 230 | 200 ※ごく短時間なら230℃でも使用可能 |
300 |
硬度(Shore A) | 76 | 79 | 79 | 71 |
引張強さ(MPa) | 15.93 | 19.08 | 24.5 | 23 |
破断時の伸び(%) | 154 | 159 | 200 | 220 |
100%モジュラス(MPa) | 6.93 | 7.85 | 7.5 | 4 |
色 | 黒 |
サイズで比較するFFKMシート
カルレッツ®、エグゼウス®共に製作可能サイズに関しては、別途ご相談ください。
一般的なゴムシートはメートル単位で販売されていますが、FFKMシートは□150などと小さいサイズになります。厚みはExzeus®は1.0~3.0t、カルレッツ®は0.51~3.18tです。
必要なサイズが決まっておりましたら製作可否確認しますのでお問合せください。
金額で比較したFFKMゴムシート
Exzeus®とカルレッツ®を見積すると価格には大きな差があります。スペックも違いますが、最も安価な品番と高価な品番を比較すると10倍以上の価格差があります。
Oリングでも比較すると言えることですが、FFKMの先駆けで商品名的にも最も有名なカルレッツ®は高価、新鋭の会社は安価な傾向にあります。
FFKMシート選択すべき商品とは?
FFKMを使用する場所は、温度や流体が通常のOリングでは対応できない厳しいものになります。
商品を選定するには、各社、各案件でいろいろな優先順位があります。予算(価格)、納期、スペック、信頼性、担当者のレスポンスなど。
何を重要視されるかを教えていただきましたら、弊社では最適な提案、また複数の提案が可能です。
まとめ
ゴムシートは必要サイズに加工がしやすく、弾性がありシール性にも優れています。ただゴムには複数種類があり、使用する温度や圧力に応じて選定しないと、ゴムはボロボロに劣化します。
FFKMは通常のゴムでは使用できない温度や流体でも対応ができますのでOリングとしては、化学、半導体、食品など多くの業界で使用されています。Oリングのみと思われている方も多く、ゴムシートも対応できることをお伝えできればと思い、本記事を執筆しました。弊社では各シートのお見積りできますので、ぜひお問合せください。