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昔からこのウイルソンシールとして知られていましたが、詳しい内容は今一つ不明でした。最近ではカタログにも記載されていますので、そのカタログに沿って紹介します。株式会社バルカー社のハンドブック(技術編、寸法編)は出典となります。
そもそもこのウイルソンシールはウィルソンシールとして記載される場合がありますが、ここでは大文字のイを採用しています。
Robert Wilson氏(米国)で1940年代に発表された技術資料がもとになっているようです。(詳細は不明ですが)
回転機器のシールには通常、グランドパッキン、メカニカルシール及びオイルシールなどが主に使用されています。
このウイルソンシールはふっ素ゴム(FKM)シールリップと金属アダプター、スペーサを組合わせたもので、用途は軸ブレの大きい回転軸用真空シールとして使用されます。
図1 ウイルソンシールの構造(1)
図2 ウイルソンシールの構造(2)
(バルカー社資料から)
図3 一段のシールの例(原典らしい)
図2に示すゴムリップが基本的にウイルソンシールです。(4つのゴムリップが見えます)
ウイルソンシールは、グランドパッキンでは満足できなかた低速、真空の攪拌機の軸シールとして開発されたシール材で、軸振れも吸収可能です。形式には、真空用、真空加圧用、加圧用があります。
特徴
- 圧力は33×10-4Pa~0.49MPa
PV値は0.5MPa・m/s(Max)
- 軸振れは最大2mm
- リップシール材料は、FKMが標準であり、120℃まで使用できます。高温仕様(150℃以上)にはウオータージャケットなどのアクセサリーを付けて冷却することにより使用できます。
- メカニカルシールとして比較して安価です。
- 潤滑用グリースの併用が必要です。
なお、このリップシールはその形に成形したものや、円盤を作成して利用することもあります。通常は成形加工です。