前号のラビリンスシールと併用されることもあるカーボンリングパッキンについて,紹介します。特殊な機械で、使われています。
(1) 小形蒸気タービンに使われている例
このパッキンはラビリンスシールの外側
に併置されることが多い。しかし高温の蒸気を使用するタービンでは、タービン軸を浸炭する恐れがあるので、大形タービンには、一般には使用されない。400℃以下の小形タービンに使用されている。
比較的低い圧力の漏れ止めには、セグメントリングといわれる扇形の3~6つ割のリングによって組立られ、環状つる巻きばねで締められています。その一例を図1に示します。外部の漏れはゼロとはならないが、ラビリンスシールよりはるかに小さい。
※説明文と図は宗孝著の「シールのごくい」を引用しています。
2)風力機械に使用されている例
図2に組立図、図3に単品図を示します。
2ないし3分割したセグメントカーボンリングを、ガータスプリングでまとめて、図2
のように装着し、軸周面との微小すきまの流体摩擦で漏れを防ぎます。アキュシャルリングは、リングを壁面に押し付けて、その部分から漏れを防ぐとともに、摩擦力でリングを中空に浮かせて、接触摩擦を防ぐためのものです。
カーボンリングに潤滑油あるいは、適当な液体を供給して接触面の潤滑、冷却を行うか、または液封を行うと、シールはもっと完全になり、運転も安全に、リングの寿命も長くできます。