パッキンとは?

最終更新日: 公開日: 2023/11

 

シールの役目

パッキンについて知る前に、「シール」について知る必要があります。
JIS(日本工業規格) B 0116によるとシールとは、「流体の漏れまたは外部からの異物の侵入を防止するために用いる装置の総称」とあります。
例えば配管と配管の接続部など、流体が漏れてしまう箇所の密封装置としての役割を果たしています。
下にも紹介しております一部シール材を除き、漏れゼロを要求されることが基本項目となります。

 

「パッキン」と「ガスケット」の違いは?

シール材は「パッキン」と「ガスケット」の2つに大きく分類することができます。どちらも同じ密閉用のシールですが、使用箇所が異なります。

 

 

機能的にはどちらもシール材には変わりはなく、使用される場所によって言い方が変わるだけです。
実際には、パッキンガスケットは明確に区別されることなく使われていることが多いです。例えば、「フランジ用パッキン」という言葉が定着しておりますが、フランジは運動箇所ではございません。よって、正しく使い分けると「フランジ用ガスケット」という名称になります。
メーカーによっては、運動用のシール材をガスケットと呼んだり、固定用ガスケットをパッキンと呼んでいるケースもあります。

 

「パッキン」とは?

それでは往復や回転をはじめとする運動用途のパッキンについて、詳しくみていきたいと思います。

パッキンは、耐摩耗性のように伸びや引張強さが影響する機械的強度が求められます。代表的な用途としては、上下の往復運動による圧力をエネルギーに変換する役割を持つ、シリンダーが挙げられます。シリンダーにおいては、ピストン部・ロッド部を主として、様々な箇所で使用されています。
 
また一口に「パッキン」と言っても、用途に合わせて様々な種類の形状がございます。

 

▽パッキンの種類

  1. Oリング
  2. Uパッキン
  3. オイルシール
  4. グランドパッキン
  5. メカニカルシール

 

パッキンの種類

ここからは、パッキンの種類の一部を詳しく見ていきましょう。

 

  1. Oリング
  2. 工業用シール材として、最も知名度・入手性の高いシールです。断面がO形状で、装着のしやすさや低価格である点が特徴です。
    断面が×の場合は、Xリング。■の場合は、角リングと呼ばれています。

     

    下記にも詳しく解説しておりますので、ご参照下さい。

     

  3. Uパッキン
  4. 名称の通り、断面がU形状のパッキンです。

    リップによりシールする、リップパッキンに代表されます。

    リップの広がりによってシールする、往復運動用パッキンです。

     

  5. オイルシール
  6. Uパッキンと同様でリップによりシールする、代表的な回転用シール材です。
    多くはゴム・バネ・金属環から構成されます。
     
    下記にも詳しく解説しておりますので、ご参照下さい。

     

  7. グランドパッキン
  8. ポンプの軸封部やバルブで採用されることが多い回転用シール材です。

    また潤滑のためにも適度な漏れが要求されます。

    使用上の注意点としては、増し締めが必要となります。

     

  9. メカニカルシール
  10. こちらもポンプで多く採用される回転用シール材です。

    特徴としては、高温・高圧環境や高速回転用として使用できます。

    4.グランドパッキンよりも圧力・回転の面において、幅広い領域で検討することが可能です。

     

    まとめ

    パッキンは、目的に合わせて適切な材質・形状を選択することが大切です。

    材質によっては、各種機器の劣化や漏れ早めてしまう可能性があるのです。

    そのため、パッキンを選ぶ際には、材質の特徴や使用環境などの用途に合った形状をよく検討した上で、選定する必要があります。

     

     

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