NKリング

フッ素樹脂被覆Oリング

NKリング

ポンプ化学飲料食品医薬品Oリング海外規格耐薬性耐熱性NES社

NKリングは、ゴムの柔軟性とフッ素樹脂の耐薬品を兼ね備えた
固定用Oリング(ガスケット)

NKリングとは

NKリングは、フッ素ゴム(黒色)やシリコーンゴム(赤色)をフッ素樹脂FEP、またはPFAのジャケットで完全に包んだシール(ガスケット)です。 フッ素樹脂で被覆することにより、耐薬品性や表面平滑性にすぐれ、不純物の溶出もきわめて低レベルです。クリーンな環境が必須の半導体生産ラインをはじめ、化学業界など多彩な分野での活用が可能となります。

英国ノーザンエンジニアリング社(NES)製

ノーザンエンジニアリング(NES)社はイギリスシェフィールドにあるシールメーカーです。コタニとは1990年より取引を開始し、日本国内における独占販売契約を結んでいます。NES社はAS9100および、ISO9001を取得しており、高品質製品をお届けします。

使用範囲

7MPaの圧力、-60~+260℃の温度に使えます。

使用実績


ろ過器・メカニカルシール・低温機器・ポンプ・バルブ・フランジ・シリンダ・コンプレッサ・熱交換器・真空機器・ガス機器・食品機器 他

 

形状

各種用途に合わせてお選びください。

         

標準型:通常のOリング形状  中空型:中芯ゴムOリングが中空  角型:断面角型のカムロック用

 

 

NKリングの材質

中芯:フッ素ゴム(バイトン)

200~230℃といった高温下での長期連続使用が可能な耐熱性と、油、溶剤、酸、オゾンなどに対する耐性をあわせもったものです。

自動車、化学プラント、その他多くの工業用途おいて、従来の弾性体では使用に耐えられないハードな環境下でも高いシール特性、耐久性を発揮します。

中芯:シリコーンゴム

高度の耐熱性と耐寒性をもっています。

パッキン、ガスケット、オイルシール、工業用ロール、防振ゴムなどの耐熱・耐寒性の用途及び電気絶縁用、医療用素材などに適しています。

被覆材:FEP(Fluorinated ethylene propylene copolymer)

押出成形によりなめらかなピンホールの少ないチューブを得ることができます。連続使用耐熱温度は204℃で耐薬品性、非粘着性に優れ、NKリング被覆材の標準材料となっています。

被覆材:PFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)

幅広い温度領域で、機械的強度を維持。安定した状態で使用できます。直射日光、風雨などによる機能低下や劣化が少なく、長期間の屋外曝露による特性の変化も起こしません。誘電率、誘電正接がきわめて低く、信頼性が重視されるエレクトロニクス分野の絶縁材料に適しています。

成形品の表面平滑性向上により、すぐれた光透過性を発揮します。通常雰囲気で引火点がなく、不燃材料としてさまざまな用途への展開が可能。 低摩擦性、非粘着性にすぐれ、また成形品の表面平滑性を向上させることで、流動体の抵抗を小さくするなどの効果を発揮します。

半導体製造装置、純水供給装置に使用する高分子材料としては最適。ごくわずかな不純物が、装置自体の腐食や、製品の純度におよぼす影響を抑えます。

NKリングのサイズ

NKリングの製作可能サイズ(mm)

        

NKリングは各線径の製作可能最小内径サイズ以上であれば上限無く製作可能です。JIS規格サイズも対応しています。

太さ 許容差 製作可能最小内径標準型
フッ素ゴムシリコーンゴム
製作可能最小内径 中空型
フッ素ゴム シリコーンゴム
外被覆厚 (FEP・PFA)
1.60 ±0.10 5.00 N/A 0.22
1.78 5.28 8.00
※フッ素ゴムでは製作不可
0.24
2.00 6.80 10.00 0.26
2.40 ±0.12 7.40 12.00 0.32
2.50 7.40 12.00 0.32
2.62 7.60 16.00 0.34
3.00 ±0.15 12.00 20.00 0.34
3.40 12.50 23.00 0.35
3.53 13.00 24.00 0.35
4.00 ±0.25 14.00 28.00 0.39
4.25 14.50 32.00 0.40
4.50 15.00 35.00 0.40
5.00 20.00 42.00 0.48
5.34 22.00 48.00 0.50
5.50 23.00 50.00 0.50
5.70 24.00 60.00 0.50
6.00 ±0.30 27.00 75.00 0.50
6.35 38.00 90.00 0.50
6.50 45.00 95.00 0.52
6.99 48.00 100.00 0.55
8.00 ±0.40 72.00 150.00 0.58
8.40 76.00 160.00 0.58
9.00 95.00 175.00 0.63
9.52 105.00 200.00 0.70
10.00 ±0.50 110.00 230.00 0.74
10.50 112.00 240.00 0.77
11.10 115.00 250.00 0.77
12.00 120.00 300.00 0.78
12.70 130.00 350.00 0.80
14.00 ±0.60 180.00 390.00 0.80
14.30 180.00 390.00 0.80
15.00 250.00 400.00 0.84
15.90 ±0.70 280.00 450.00 0.86
18.00 ±0.80 325.00 475.00 0.90
19.05 ±0.90 350.00 500.00 0.90
20.63 ±1.00 400.00 550.00 0.93
25.40 ±1.20 425.00 600.00 1.05

NKリングの内径許容差(mm)

内径 許容差
5~16 ±0.20
16.1~25 ±0.25
25.1~40 ±0.35
40.1~63 ±0.40
63.1~100 ±0.50
100.1~160 ±0.70

※上記以上の寸法公差はリング内径の±0.5%になります。例:内径310の場合=±1.55(0.5%)

NKリングの耐薬品性

下記の酸・アルカリ・溶剤などに使用できます。 それ以外の流体については、ご相談下さい。

 

  • アビエチン酸
  • 酢酸
  • 無水酢酸
  • アセトン
  • アセトフェノン
  • 無水アクリル酸
  • 酢酸アリル
  • メタクリル酸アリル
  • 塩化アルミニウム
  • アンモニア水
  • 塩化アンモニウム
  • アニリン
  • ベンゾニトリル
  • 塩化ベンゾイル
  • ベンジルアルコール
  • ほう砂
  • ほう酸
  • 臭素
  • ノルマンブチルアミン
  • 酢酸ブチル
  • メタクリル酸ブチル
  • 塩化カルシウム
  • 二硫化炭素
  • セタン
  • 塩素
  • クロロホルム
  • クロロスルホン酸
  • クロム酸
  • シクロヘキサン
  • シクロヘキサノン
  • フタル酸ジブチル
  • ジブチルセバケイト
  • ジェチルカーボネイト
  • ジメチルエーテル
  • ジメチルホルムアミド
  • ジイソブチルアジペート
  • ジメチルヒドラジン
  • ジオキサン
  • 酢酸エチル
  • エチルアルコール
  • エチルエーテル
  • エチルヘキソエート
  • 臭化エチレン
  • エチレングリコール
  • 塩化鉄
  • リン酸鉄
  • フロロナフタレン
  • フロロニトロベンゼン
  • ホルムアルデヒド
  • ぎ酸
  • フラン
  • ガソリン
  • ヘキサクロロエタン
  • ヘキサン
  • ヒドラジン
  • 塩酸
  • フッ化水素酸(フッ酸)
  • 過酸化水素
  • 塩化マグネシウム
  • 水銀
  • MEK
  • メタクリル酸
  • メタノール
  • メチルメタアクリレート
  • ナフタレン
  • ナフトール
  • 硝酸
  • ニトロベンゼン
  • 2-ニトロブタノール
  • ニトロメタン
  • 四酸化窒素
  • 2-ニトロ2メチルプロバノール
  • ノルマルオクタデシルアルコール
  • 動植物油
  • オゾン
  • パークロロエチレン
  • ペンタクロロベンズアミド
  • パークロロキシレン
  • フェノール
  • リン酸
  • 五塩化りん
  • フタル酸
  • ピネン
  • ピペリジン
  • ポリアクリロニトリル
  • 酢酸カリウム
  • 水酸化カリウム
  • 過マンガン酸カリウム
  • ピリジン
  • せっけん、洗剤
  • 苛性ソーダ
  • 次亜塩素酸ナトリウム
  • 過酸化ナトリウム
  • 溶媒(脂肪族、芳香族)
  • 塩化第一錫
  • 硫黄
  • 硫酸
  • テトラブロモエタン
  • テトラクロロエチレン
  • トリクロロ酢酸
  • トリクロロエチレン
  • リン酸トリクレシル
  • トリエタノールアミン
  • メタクリル酸ビニル
  • キシレン
  • 塩化亜鉛

 

NKリングの耐熱性

選択可能な材質にはいくつかの組合わせがあり、使用目的に従って選択を行います。
弊社では材質の選択に関するアドバイスを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

 

材質 画像 詳細 温度範囲
Viton® 芯材、FEP被覆

特殊製法によるViton® 芯材の非常に低い圧縮永久歪みにより、この組合わせが最良のシール特性を発揮します。
極度の高温、あるいは低温になる場合を除き、Viton® 芯材が第一の選択肢となります。

-20 ~ +204℃
シリコーン芯材、FEP被覆

シール材としては、理論的にはViton® に劣りますが、シリコーンにはViton® よりも低温で機能することが出来るという利点があります。

-60 ~ +204℃
Viton® 芯材、PFA被覆

この組合わせの長所は、PFA被覆により高い耐磨耗性が得られることです。

-20 ~ +204℃
シリコーン芯材、PFA被覆

シリコーンとPFAの組合わせは、適用温度が非常に幅広く、特に高温における柔軟性に優れています。

-60 ~ +260℃
中空シリコーン芯材、FEP被覆 この組合わせは、低荷重での装着が必要な場所、つまりガラス器具、あるいは同様の壊れやすい器具に使用します。
中空でない芯を持つリングよりも簡単にシールを圧縮することが出来ます。
-60 ~ +204℃
中空シリコーン芯材、PFA被覆

これも「中空シリコーン芯材、FEP被覆」と同じ用途ですが、より高温に対応可能です。

-60 ~ +260℃

 

NKリング硬さ

NKリングの硬度は被覆材であるふっ素樹脂の影響もあり90±5°になります。一般的に使われるOリングは70°のものが多いので少し硬いです。

NKリングの硬さ動画

NKリングの硬さ動画を撮影しました。

PTFE Oリング、NKリング、 NRB Oリングの硬さ比較

フッ素樹脂を被覆しているNKリングは一般的なOリングよりも硬いのですが、どれくらいの違いがあるのか 実際に以下3点のOリングで比較してみました。

  • NRB Oリング
  • PTFE Oリング
  • NKリング

NKリングをお湯に浸けてみました

NKリングはお湯に浸すと柔らかくなり器具に装着しやすくなります。
今回は実際に60度のお湯に3分浸けてどの程度柔らかくなったのか実験してみました。

NKリングの装着説明

NKリングの正しい取り付けは、シールの寿命を長く持たせるためには欠かせません。
報告されたシール破損の90%は、取り付けやハウジングの設計などに問題があります。

溝内部への装着

  1. シールが変形するおそれがある為、NKリングを溝口径にはめ込むことは難しいです。いちばん良い方法として、リングを60~70℃のお湯に10分間浸します。
    お湯からリングを取り出し、すばやく口径へ挿入し、慎重にリング最先端部分を溝の奥へ移動させます。
  2. その後、リングの後縁をしっかりと下部溝にはめ込み、リング先端部分を手前に引き戻しながら上部溝へ、パチンとはめ込みます。
    リングがまだ温かくて柔軟な間に、すぐ軸を挿入してください。
    ※時間が経過すると、被覆材の硬さが元に戻ります。
  3. より小さなハウジングへの装着の際、特定の装着治具を利用する場合があるので、必要ならば、製造の詳細をご連絡下さい。

外部ピストンへの装着

NKリングを一体構造のピストンヘッドタイプの溝に取り付ける場合、「装着円錐」を利用することは可能です。前述のようにリングをお湯に浸し、その後すばやく円錐に沿って均一に押しながら、溝へ落としはめ込みます。

 

矯正リングを用いて、外からの圧力を加えること、正しい直径に戻すようにすることが必要になるかもしれません。これは、真鍮または硬質のプラスチックで作られた円錐が、いかなる端や角をなめらかにする事で可能になります。溝の角で、もし不完全にばりや鋭い端があれば、早期Oリングの破損原因になるのを防ぎます。もし、ハウジングが分割構造であれば、NKリングの装着がより簡易になります。

NKリングのよくある質問

NKリングに関するよくある質問は下記リンクをご確認ください。

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