この特別号の最後の話として、シール製品の製造と検査について説明します。特にゴム製品としての話です。
ゴム製品の製造は、基本的には配合―混合―予備成形―金型によるプレス成形―仕上げ-二次加硫までです。
現在、これらの工程では、数量の多い場合には色々と自動化が図られています。
ゴム製シール材の製造工程
予備成形
予備成形では、単純に紐押し出し以外に特殊形状のリングなどを自動的製造する設備なども多く導入されています。
プレス
プレスでは、多数個取りの金型を使用して自動プレス機も多数使用されています。
ただし、数量の少ない場合には生産方式はセル生産として、プレス、仕上げ、検査を一人作業にてセル内で処理する方式もあります。(場合によっては、梱包をする場合もあります。)
いずれにしても多数個を生産する場合には、ロボットなどの導入もあり、製造が従来と異なり、自動化が加速しているようです。
これらの自動化により、出来る限り人を使用しないことにより、コスト競争に打ち勝つような体制が構築されています。
多数個の場合には、ライン方式で生産することが多くなります。
仕上げ工程
案外コストが掛かる工程は、仕上げ工程になります。多くの場合には一種のバッチ方式になります。
今でも、ゴム特性を上手く使った冷凍ばり機によるものが、多分主流でしょう。
検査
シール製品の検査の支流は今でも、人の目視で行う場合が、多いのが現状でしょう。
ただし、数量の多い場合には、現在では殆どは、自動検査機の導入が図られています。
これらは、高性能のカメラを使用して画像処理(パターン認識)を行い、寸法から、外観まで検査できるようになってきました。
元々ゴム製品は色は黒色がほとんどであり、案外画像処理が困難でしたが、照明の取り方やカメラの高性能化により、検査が実現できるようになってきました。
当然ながら、ゴム製品を整列するパーツフィーダーの高性能化も相まって、可能になったのです。
シール製品の価格感
余談ですが、シール製品の単価は凡そ幾らぐらいでしょうか。
多分、製造数量と売上高からの推定では、1個あたり、数十円~数百円が大半かと思われます。中には1円程度のものもあり、色々ですが、案外安いとのイメージがあります。
しかし、あくまで最も汎用的な1A(NBR 70度)の話であって、価格感は材質・寸法に依存するのが現実です。
シール製品の大きさも約50mm以下が圧倒的に多いのが、現状でしょう。
現在、生ゴムや、エネルギーなど諸物価の高騰もあり、値上がりもしていくでしょう。
終わりに
特別号では、多くのスーペスを頂き、日ごろ感じている事項や、出来る限り、皆様の興味がある事柄を取りあげました。
次回からは、シール概論の総まとめとして、従来の内容とラップしますが、述べさして頂きます。
皆様の意見や質問がありましたら、どんどんお出しください。お待ちしています。